映画「ギャングース」感想

※ネタバレあり

 

いやぁ~面白かったです。

社会の底辺に生きる彼ら、決して望んでそうなった訳では無いのに不遇な少年時代から少年院あがりという経歴で、まともな仕事にもつけず住むところさえ無い。

詐欺グループのアガリを摂取する、という仕事(?)をします。

何がいいって、この3人の関係性のバランス。

サイケは頭がきれるヤツ、タケオは気弱で、他の2人が対立するとオロオロしちゃうぐらい気弱…でも運転すると人が変るw

カズキは、大事な妹を守れなかった事で、偶然知り合ったあざだらけのヒカリを助けようとする優しい子。このカズキを加藤涼くんが好演していた。

普段はのんびりおっとりしてて、食べ物だけには人一倍執着する。牛丼には嫌な思い出があるはずなのに、いまだに大好物。そして時にサイケの怒りを変顔で止めちゃう。なんか凄くいい子でさぁ。加藤涼くんにびっくりした。バラエティのイメージしかなかったんだけどとてもいい俳優さんだと思った。

3人に対抗する加藤(金子ノブアキ)の研修セミナー、すごく流ちょうに説明するから、思わずうんうん、と心を掴まれそうになったわ~、やばい。

この人もまた、闇社会のルールに怒りを感じながらそうせざるを得ない自分の立場に嫌気がさしている人間で。ついに恋人(篠田麻里子)と海外へ逃亡するつもりが安達(MIYAVI)の手の内に落ちてしまう。あんな目にあいながらも安達に言いたいこと言ったので満足できたかな…

お金で買えないもの、安達が最後まで手に入れられなかったものをサイケ・タケオ・カズキは持っている。

ウシジマくん思い出したりしましたが、こっちは社会性ありの娯楽作品になってると思いました。急に中国系の情報屋が安達の取引の仕方を教えたり、安達のせいで犠牲になった妹のかたきを取る兄ちゃんが参加したり、倉庫で計画を立てたりと多少都合の良い展開です。うまくいかなかったり(これは中国の情報屋が加藤と繋がっていた…?)痛い目にあったりもしますが、やはり悪党がちゃんと捕まり司法の手に委ねられる、というのは観ててスカッとします。

何気ない街中の日常、明るい牛丼屋の店内、誰もが気にも留めないそんな一角の中に小さな幸せはある。ラストのシーンに笑顔になりました。

 

 

で、林遣都ですが。

ちょこちょこ出番が多くて、さらに毎回違う服装。これは情報屋という役柄だからだろうか。闇医者シーンでの台詞回しが好きですねぇ。オラオラな言葉話す林遣都サイコ-!!河原のシーン、派手なことやらかそうとする3人に初めは自分の保身の為か情報を小出しにする高田。でも後が無い3人の熱意にほだされ、情報料ももらってないのに自分の知る安達情報を教えるとこ、なかなか熱いヤツとみた!

最後、喫茶店で安達逮捕をTVで知るんだけど、その時の表情が良くてねぇ。

「あいつら…」って感じでちょっと口の端で笑うとこがいいんだぁ~。

あとでパンフレット読んだら入江監督もそのシーン褒めてて嬉しかった!